企業の街選び、決め手は「税金」と「生活の質」 豊橋技科大、スタートアップ誘致の新指標を発表

2026/05/12 00:00(公開)
経済的な強さと人間の幸せ(ウェルビーイング)のバランス
経済的な強さと人間の幸せ(ウェルビーイング)のバランス

 豊橋技術科学大学の研究チームが、スタートアップを街に呼び込むための新しい計算方法を発表した。今回の研究では、ただ最新の技術があるだけでなく、税金の安さや生活のしやすさが、新しい企業を誘致するために極めて重要であることが突き止められた。

 

 研究チームが開発したのは「政策評価フレームワーク」という、街の良さを数字で測る仕組みだ。この仕組みを使い、日本、タイ、フィリピンが協力して、スマートシティーでの企業の育ちやすさを調査した。

 

 スマートシティーとは、デジタル技術を活用し、交通やエネルギーなどの問題を解決し、効率的に運営される街のことだ。調査の結果、企業がその街を選ぶ一番の理由は、法人税の安さだった。また、アクセシビリティー(移動や情報の得やすさ)も大切で、空港や鉄道などの交通網が便利なことは、働く人だけでなく住む人全員に好影響を与える。

 

 一方で、インターネットを介したデジタルサービスが便利なだけでは不十分で、税金の優遇といった具体的な支援が必要であることも分かった。さらに重要な要素として「QOL(生活の質)」が挙げられている。これは、街の安全さや環境の良さ、暮らしやすさを表す言葉だ。一方で、ビジネスのしやすさを「QOB(ビジネスの質)」と呼ぶ。愛知県、シンガポール、ドイツのミュンヘンの3都市を比べたところ、ビジネスのしやすさではシンガポールが一番だったが、生活のしやすさ(QOL)では愛知県が他の2都市よりも高いという結果が出た。

 

 研究員のムスタファ・ムタハリ氏は、ハイテクな技術だけに頼るのではなく、経済的な強さと人間の幸せ(ウェルビーイング)のバランスが取れた街づくりが大切だと指摘している。今後は、街の未来をシミュレーションする道具を開発し、実際の街づくりに役立てていく方針だ。

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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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