農業×障害者雇用の新サービス開始 豊橋のアグリトリオが運営、農家と連携

2026/06/21 00:00(公開)
サービスをPRする深谷社長㊨と松原理事長=東愛知新聞社で
サービスをPRする深谷社長㊨と松原理事長=東愛知新聞社で

 障害者の法定雇用率が7月に引き上げられるのを前に、障害者雇用をする企業や人手不足の農家と、就労を目指す障害者の課題を解決するサービス「ファームケア」が始まった。農業人材サービスを手掛ける「アグリトリオ」(豊橋市)が運営し、地元で障害者の就労支援をする「NPO法人クオーレ」が協力する。アグリトリオの深谷祐貴社長は「三者にとって意義のある仕組みを模索し、企業の障害者雇用の力で農業の労働力を支えたい」と期待する。

 

 法改正により、7月1日から障害者の法定雇用率が2・5%から2・7%へ引き上げられ、対象企業の規模も従業員37・5人以上に拡大される。人材大手「レバジーズ」の昨年4月~今年3月の調査では、対象企業の5割以上が「専門的なノウハウ・知見の不足」「現場の受け入れキャパシティ不足」の課題を抱えているという。一方、農家側も直販ルートの拡大などに伴い、箱詰めや出荷調整などの軽作業の人手不足に直面している。

 

 仕組みは、企業が障害者を直接雇用し、障害のある従業員は希望する農作業を選んで勤務する。主に精神障害のある人が対象で、午前と午後から選択でき、体調に合わせた無理のない勤務が可能だ。例えば、施設内の作業スペースでは、障害者らがパック詰めやつまもの類の仕分けなどの作業をする。農家から出来高に応じて支払われる作業工賃は、雇用する企業の売上となり、企業は従業員へ給与を支払う。

 

サービスの仕組み
サービスの仕組み

企業負担を大幅軽減

 

 強みは企業側の負担軽減と社会的責任を果たせる点だ。近年、実態を伴わない「企業向け貸し農園型」への批判や、在宅勤務の障害者が実質的な仕事を与えられず事実上放置されるケースなど、形だけの障害者雇用に厳しい目が向けられている。これに対し同サービスは、実際の農地や作業スペースで働くのに加え、既存設備を利用するため初期費用1人10万円、システム利用料月額12・5万円と大幅にコストを抑えられる。実際の市場に流通する商品を扱うため働く側のやりがいを生み、企業のSDGs(持続可能な開発目標)経営にもつながる。

 

 導入に際し、現状の課題などのヒアリングをする。就労開始後は、ジョブコーチが本人の業務への適応や定着を支援し、必要に応じて企業側へ助言を行う。クオーレの松原克成理事長は「黙々とできる作業と求職者の相性がいい。このサービスを通じて自信を持ち、一般就職へ羽ばたいた人がいる。最初のステップとなるきっかけを秘めている」と手応えを語る。

 

 問い合わせはアグリトリオ(0532・82・2862)へ。詳細はサイトで。

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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