蒲郡市立図書館と「金沢ヒューマン文庫を愛し守る会」は、戦後民主教育の草分けとして活躍したとされる同市出身の教育者、金沢嘉市氏(1908~86年)の没後40年を記念する企画展「『金沢ヒューマン文庫』に見る教育者・金沢嘉市の仕事展」を同館1階展示室で開いている。8月2日まで。
金沢氏は現在の平田町生まれ。母校の市立蒲郡東部小学校などで教壇に立った後、東京で校長や教育相談員を務めた。著書「ある小学校長の回想」や「一まいの卒業証書」などを残し、戦後の教育界で幅広く活躍したことで知られる。
金沢ヒューマン文庫は、約2500点の資料が寄贈されたのを受け93年に開設し、現在は市立蒲郡南部小学校に一時移転している。運営する守る会は、金沢氏の遺志を継ぎ、子どもの「生きる力」を育む文化活動に取り組んでいる。
会場は、寄贈品の中から代表的な資料300点を紹介。口演童話の活動から「語りの運動」につながる資料、金沢氏や子どもたちの授業ノート、社会科教科書、NHKラジオ学校放送の台本などを見ることができる。
また、「一まいの卒業証書」のモデルとなった山本数行少年の卒業証書も約30年ぶりに展示した。山本少年は金沢氏が教員時代に出会った実在の戦争孤児で、卒業を前に姿を消した。渡せなかった証書は大切に保管され、子どもに寄せた金沢氏の深い愛情の象徴となっている。
守る会の船坂清伸代表は「没後40年となり、知らない人が多くなってきました。企画展をきっかけに、こういう人がいたこと、文庫があることを知ってほしい」と話した。
入場無料。午前9時~午後7時。27日、31日は休館。
守る会は、戦争体験を語り継ぐ催し「親子で平和を学ぼう」を蒲郡市府相町の府相公民館ホールで8月8日午後1時半から開く。入場無料。参加者を募っている。
毎年、当時を知る市民を招き、証言に耳を傾ける場を設けることで、平和について考えるきっかけにつなげている。
当日は体験記「50人の証言・わたしの戦争体験」を朗読するほか、豊川海軍工廠(こうしょう)の惨劇を描いた大型紙芝居「忘れないで8月7日」を上演する。姫路空襲を体験した杉浦照代さんと、14歳で豊川海軍工廠空襲を体験した澤田富吉さんが当時を語る。
定員60人で先着順。参加する子どもには記念品を贈る。申し込み、問い合わせは府相公民館(0533・68・2705)へ。
購読残数: / 本
愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
週間ランキング
日付で探す