この春、田原市博物館名誉館長に就任した米国コロンビア大学名誉教授のドナルド・キーン氏（95）が11日、田原市の崋山神社などで行われた秋季大祭に初出席した。
　田原を代表する偉人で幕末の先覚者・渡辺崋山（１７９３～１８４１）をはじめ、日本文学の研究で著名なキーン氏。田原には過去２度訪れているというが、名誉館長就任後は初めてとなる。
　大祭は毎年、崋山の命日に合わせて、主催する崋山神社奉賛会や行政、地元関係者らが参加。同市田原町にある菩提寺・城宝寺で墓前参りをするなどして崋山の功績を顕彰している。
　前日に墓前参りを済ませたキーン氏はこの日、神事で舞を見学したほか、玉串を奉納。
　神事に続く崋山会館でのキーン氏を囲む会では山下政良市長らと食事をしながら歓談し、キーン氏は「名誉館長になれて大変光栄。多くの人に崋山の素晴らしさを知ってもらえるとうれしい」などあいさつし、山下市長はキーン氏の来訪に感謝した上で「これからも崋山の顕彰を続けていきたい」と述べた。
（千葉敬也）