豊城中へ「豊橋鬼祭」出前講座 伝統文化伝える

2019/11/19 00:00(公開)
「角度を変えると表情が変わるのは日本のお面だけ」と語る北沢氏=豊橋市立豊城中学校で
 豊橋市豊城中学校(河合成始校長)は18日、2年生106人を対象に出前講座「豊橋鬼祭」を開いた。生徒に地域固有の伝統文化を学んでもらおうと、2017年から行っている。
 この日は、北沢流能面師・北沢美白氏(33)が「令和の誓い~君に伝えたいこと」をテーマに講演した。
 北沢氏は「東日本大震災で東北を訪れた際、家も金もなくなった人たちが避難所の体育館で郷土の歌や祭りばやしを歌っていた。人間が身ひとつになった時、最後に残るのは神事や祭事などの伝統。これらに関わる仕事ができれば世の中の役に立つのではないかと考えた」と能面師になったきっかけについて説明した。
 能面について「角度を変えると表情が変わるのは日本のお面だけ。これは、古くから日本人が喜怒哀楽を大事にしてきたということだ。日本の能楽は、ハリウッド映画のハッピーエンドとは真逆で、リアリズムを大切にしてきた」と解説した。
 また、豊橋・安久美神戸神明社の豊橋鬼祭で使用する赤鬼や天狗(てんぐ)の面7つを80年ぶりに作り直す大役を任された同氏は5月20~24日、境内の潔斎(けっさい)殿にこもって面を制作した。
 「80年間使われてきたお面を手に取った時、ご先祖のありがたみを感じたため、私も300年後の子孫の幸せを思い描きながら作った。鬼祭は過去と未来をつなげる素晴らしい行事。皆さんも誇りに思ってほしい」「孤独を感じたら、この地域には神事・祭事を残してくれた先祖がいる、というきょうの話を思い出してほしい。あなたは1人ではない」。北沢氏はこう生徒らに語りかけ、講演を締めくくった。
(木村裕貴)
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