蒲郡市竹島水族館と東三河を舞台にした大人気ライトノベル作品「負けヒロインが多すぎる!(マケイン)」とのコラボ企画が、20日から初めて開かれる。水族館職員は、多くの人に企画を満喫してもらおうと準備を進めている。戸舘真人副館長は「小説の舞台となった場所や生物を見てもらうのは、ファンにとって格別な体験になると思います」と話す。
マケインは、豊橋市出身のラノベ作家の雨森たきびさん、漫画家でイラストレーターのいみぎむるさんが手掛ける作品。昨年の「このライトノベルがすごい!」で総合1位を獲得するなどの話題作で、同年7~9月にはテレビアニメが放送され、大きな話題を呼んだ。第2期の制作も決定している。
ストーリーは自称背景キャラの主人公「温水和彦」が、ある日偶然クラスの人気女子「八奈見杏菜」が男子生徒に振られる現場を目撃。それ以降、八奈見を含む複数の「負けヒロイン」と関わっていくというものだ。
竹島水族館は2023年発売の第6巻に登場する。温水がヒロインの一人「焼塩檸檬」と一緒に水族館を訪れ、展示された生物を見ながらデートするシーンが描写されている。戸舘副館長は、6巻の発売当初に小林龍二館長と水族館が登場したことを話題にしていた。
今回のコラボは、ファンとの会話がきっかけで動き出した。昨夏、小説を持って旧館を巡っているファンに戸舘副館長が声を掛け、何の本かを尋ねた。ファンはマケインだと答えた後、「水族館はコラボしないのですか」と聞いてきた。そこで、以前に小林館長と話題にしたことを思い出したという。
戸舘副館長は今年5月、ファンの熱い要望と期待に応えるため、水族館を運営する「竹島開発」の鈴木聡一郎社長と一緒に出版元の小学館ガガガ文庫を訪れた。コラボを提案し、快諾を得て実現した。
その後、戸舘副館長から勧められたことでファンとなり、水族館の中で一番作品に詳しくなった哺乳類担当の南優花さんを加え、担当編集者と連携しながら企画を進め、コラボグッズなどを完成させた。
企画では、作者や作品の紹介をはじめ、作中に登場するウツボやカブトガニ、オタリアなどの水槽12カ所に、温水と焼塩のやり取りのシーンと、水族館職員手書きのオリジナル解説文を展示する。
全10種類の特別入館チケットとスタンプラリー台紙を販売する。いみぎむるさんが温水や焼塩、八奈見ら主要キャラクター9人と、それぞれの特徴に似ている生物を添えた「SDキャラ」を描き下ろした。ランダム缶バッジとしてカプセル玩具で提供する。
アクリルスタンドやクリアファイル、アクリルキーホルダー、ステッカーなども取りそろえている。同じキャラグッズについては同時会計での購入数を制限し、トラブル防止に努める。
南さんは「いろんなキャラがいて面白い作品。企画を通じてマケインを知らない人にも魅力を伝えていきたい」と話した。
雨森さんは「水族館は子どものころから父に何度も連れていってもらった思い出の場所。コラボしていただけることが、心からうれしいです」とコメントした。
来年2月1日まで。休館日はなし。コラボチケット料金は大人・子ども一律1800円で売り切れ次第終了。通常チケットでも入館できる。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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