2023年に公開されヒットした映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の原作者、汐見夏衛さんが18日、県立豊橋商業高校を訪れ、1~3年生約320人を前に講演した。
鹿児島県出身で県内在住の汐見さんは2016年、高校の国語科の教員時代に「あの花」でデビュー。太平洋戦争末期にタイムスリップした女子中学生と特攻隊員との恋を描く。最初は小説投稿サイトでの「ケータイ小説」だったが、SNSで「とにかく泣ける」と評判を呼び、シリーズ累計発行部数85万部の人気作となった。
講演は同校の教員が知人の教員仲間を通じて交渉して実現した。拍手で迎えられた汐見さんは、デビュー前の葛藤や作品の創作秘話などを質疑応答を交えて約40分間語った。デビュー前は「ファンタジーを書いていたが、出版社からは全く声がかからなかった」と話し、「実際に求められていたのは恋愛小説だった。自分が書きたい内容とみんなが求めている内容は違うと学んだ。その二つの重なる部分を見つけるのが重要」と述べた。
誕生のきっかけについて、教員時代に体験した戦争を扱う授業での出来事を挙げ「生徒たちの『つら過ぎて見たくない』という言葉を聞き、風化させてはいけないという気持ちが強くなった」と振り返る。子どもの頃の社会見学で知覧特攻平和会館を訪れた際に衝撃を受けた経験を思い出し、「恋愛と特攻隊」の発想を得たという。
講演後のサイン会には多くの生徒が列をつくり、読み古した本の表紙などにサインをもらったり、会話を楽しんだりしていた。同校は昨年映画配給会社が企画した「『あの花』先行上映会&SP授業」に落選。汐見さんは「ようやく来ることができた」と声を弾ませ、「執筆中は苦しいことも多いが、温かな声をかけてもらい、読んでもらえていると実感できた」と笑顔を見せた。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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