広報紙で防犯意識など向上 月1回発行で市民に好評

2024/09/20 06:00(公開)
一宮駐在所の丹羽さん

市民に交通安全や防犯について興味を持ってもらうと、豊川署管内の13の交番と駐在所が広報紙を発行している。県内の犯罪状況や交通安全の推進期間に合わせて、署員がテーマを考えて制作する。市民からも「イラスト付きでわかりやすい」と好評という。

 

 同署は、現場の目線で地域に合わせた情報発信をするため、1カ月に1回、広報紙を発行している。特殊詐欺の対策や警察官の仕事紹介などさまざま。同署入り口に展示したり、町内に配ったりしている。

 一宮駐在所で昨年から勤務する丹羽直人さん(55)は、パトロールの合間に、パソコンでA4用紙にイラストや文章をバランス良く置き、数日間で作る。

 9月は「夕暮れ時の交通マナー」がテーマ。歩行者は反射材を、ドライバーはライトをつけるように呼び掛ける内容だ。「見つけてね ピカピカぼくの 反射材」と覚えやすいタイトルや現場を想像しやすいようにイラストを入れた。

 長らく刑事畑で供述調書などの作成はお手の物。一方、広報紙は作った経験がなく、言葉遣いの違いに苦労した。「報告書は正確性を、広報紙は分かりやすさを求められ、パトロールを警らと呼ぶが、市民には伝わらない。広報紙では、住民に話すように説明しようと心がけている」と話す。

 同署管内で昨年は707件の交通事故が発生し、そのうち午後4~6時が180件。丹羽さんは「一宮地区では、歩道と車道が明確に分かれていない場所が多い。特に朝の通勤、通学の時間帯や夕暮れ時は、ドライバーにとって歩行者や自転車が見にくい。県警の啓発や地域の状況に合わせて注意を呼び掛けたい」と話した。

 

豊川署に展示されている広報紙

 同署はこのほど、東愛知新聞社の北川壱暉記者を招き、記事の書き方の勉強会を開いた。広報紙をつくる約20人の交番員らが集まり、文章構成の立て方などを学んだ。

 地域課の三浦弘幸課長は「今後もわかりやすい広報紙をつくり、市民に情報発信していきたい」と話した。

 

講座で文章の書き方を学ぶ=豊川署で
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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