運送業界の現状知る一冊

　東愛知新聞の「発言」欄の筆者でもある経営人事コンサルタントの西川幸孝さん（64）が新著「同一労働同一賃金に対応！トラック運送業賃金制度設計の実務」を刊行した。同じ人事コンサルタントの佐藤誠さん（48）との共著。トラック運送業の現状や課題、関連法制度などについて解説している便利な実務書になっている。
　トラックドライバーの賃金制度は、人手不足や長時間労働、待遇格差、残業代、歩合給制など「業界が抱える多くの課題」に直面している。そうした状況を踏まえ、新著は「合理的な賃金制度の設計・構築の手順」を詳しく解説している。
　同一労働同一賃金制度に対応し、トラック運送業の当面の課題や賃金制度設計の手順から始まり、第４章では制度改革事例を紹介。実務者に便利な解説本に仕立てている。
　「ドライバーや販売業など歩合給について解説した単著は初めてではないか。賃金や残業代でトラブルも起きている。手元に置いて経営者や、またコンサルタントに参考にしてほしい」と西川さんや佐藤さんは話している。
　日本法令刊、２５５㌻。２５００円（税別）。
　西川さんはビジネスリンク代表取締役。人の観点から経営を見直し、経営の観点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。著者に「マネジメントに活かす歩合給制の実務」「物語コーポレーションものがたり～若者が辞めない外食企業」などがある。
　佐藤さんは同社取締役。人事労務についての各種アドバイスや経営者や幹部社員への研修業務を行っている。初の著書になる。
　西川さんたちは今月末からオンラインでのコンサルタントやセミナーを実施していく予定でもある。
【本多亮】