蒲郡ミカン使用 石黒商店が甘いせんべい発売へ

　蒲郡市三谷町のえびせんべい製造販売「石黒商店」がＪＡ蒲郡市と協力し、全国でも珍しい甘いせんべい「ｓｗｅｅｔｓ　ｃｏｒｅｚｏ」（スイーツ・コレゾウ）を３月３日に発売する。地元の名産品、蒲郡ミカンを使った。
　石黒商店は２０１４年から自社ブランド「変わり種えびせん是蔵」の製造を始めた。若者を中心にした和菓子離れの中、石黒裕之代表は他社と差別化を図るため、新商品を考えていた。そして、せんべいには塩気、という固定概念から抜け出して、甘いスイーツ感覚で楽しめるせんべいを思いついた。
　対象として、商品化について以前から多くの相談があった蒲郡ミカンに注目した。最初はミカンとエビを一緒に入れて試し、焼き上げるタイミング、温度調整に苦労した。ＪＡ蒲郡市からジュースの提供を受け、国産のでんぷんを加え、酸味と甘味を残すため、ノンフライ製法で焼き上げた。
　せんべいは、口に入れた瞬間から香りと甘酸っぱい味わいが広がる。ひと口食べると癖になりそうだ。「是蔵」に続く２弾目の自社ブランド「ｓｗｅｅｔｓ　ｃｏｒｅｚｏ」。
　石黒さんはミカン以外の甘いせんべい開発のため、多くの果物や野菜などを試しに焼いた。リンゴ、カボチャ、ショコラ、抹茶、きなこの新たな５種類のフレーバーが加わった。
　パッケージをえびせんとは違う工夫をした。10代の若い女性向けに、かわいさやＳＮＳ映えを感じさせるため本の形にしたた。石黒さんは「新しい物語が始まると願いを込めた」と説明する。
　「ｓｗｅｅｔｓ　ｃｏｒｅｚｏ」ブランドの６種類のせんべいは３月３日からＪＡ蒲郡市のグリーンセンター、Ａコープかたはら店と、変わり種えびせん是蔵で１２００円（税抜き）で発売。今後は名古屋三越栄のほか、東京や大阪、京都などの百貨店でも販売を予定している。
【林大二朗】