10日から渋沢家と豊橋の縁をひも解く企画展

2021/04/09 00:02(公開)
早川孝太郎が敬三に贈った絵画「或る想い出」=市中央図書館で
早川孝太郎が敬三に贈った絵画「或る想い出」=市中央図書館で
 今年のNHK大河ドラマ主人公で脚光を浴びる渋沢栄一ら、渋沢家と豊橋ゆかりの人物をテーマにした企画展が10日から、豊橋市中央図書館で始まる。栄一と孫敬三の生涯に焦点を当て、2人と親交のあった豊橋ゆかりの人物を資料とともに紹介する。6月10日まで。

 栄一を紹介するコーナーでは、計68冊の伝記がずらりと並ぶ。尊王攘夷運動に関わり、明治政府の役人として国立銀行条例を制定、自ら最初の国立銀行設立に関わるなど日本を代表する実業家の生涯がわかる。
 吉田藩で藩校時習館の学問係だった村井清は維新後、東京で関学塾を主宰して渋沢との縁が生まれた。家庭教師として渋沢邸の一角に住み、身内同然の付き合いが長く続いた。
 長男の寛(ゆたか)は「食道楽」などの著書で知られる弦斎。弦斎の依頼で著書の冒頭にサインした栄一の文字は「四周掌内」。世のすべてが自分の手中にある心境をつづった、栄一の勢いを物語る資料だ。
 栄一を継いだ孫敬三の時代を紹介するコーナーには、「花祭」研究で知られる民俗学者、早川孝太郎の絵画「或る想い出」を展示した。孝太郎は奥三河から就職のため豊橋へ移住、画家を志し上京したが民俗学へ転じた。敬三も民俗学の研究に熱心で、孝太郎の研究を経済的に支援した。
 絵は1930年に深川から三田綱町へ邸宅を移した際の記念品。屋敷は戦後に物納で大蔵大臣公邸となったが、残った絵を元執事が買い戻して消失を免れたという。
 ほか、漢詩人で豊橋に一時幽閉された小野湖山らも取り上げる。栄一関連グッズも展示する。月曜休館。
【加藤広宣】
「食道楽」などの村井弦斎も親子で交流があった=同
「食道楽」などの村井弦斎も親子で交流があった=同
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