二酸化炭素消火設備事故を受け緊急査察

2021/04/24 00:00(公開)
設備を確認する施設管理スタッフと予防課職員=東横イン豊橋駅東口で
設備を確認する施設管理スタッフと予防課職員=東横イン豊橋駅東口で
 昨年12月に名古屋市、今年1月と今月15日に東京都で二酸化炭素消火設備による死亡事故があったことを受け、豊橋市消防本部予防課は23日、緊急査察を開始した。初日は大橋通2の「東横イン豊橋駅東口」立体駐車場で実施した。
 立体駐車場や金融機関、医療機関、工場など市内23件の設置施設に対して、施設管理者に設備の使用および日常点検の方法と工事などを実施する際の注意点を伝える。
 二酸化炭素消火設備は酸素濃度を低下させて消化させる仕組み。同立体駐車場はエレベーターを使用して乗用車を30台まで格納する機械式の駐車場。ガソリンやオイルなどを含む車両火災を鎮火するため、二酸化炭素消火設備が設置されている。
 消火設備が作動すると、退避を促すアナウンスと扉などの閉鎖後、20秒以上の猶予があってから二酸化炭素が噴出し、1分以内に約35%の濃度で施設内に充満する。そこで呼吸すればすぐに意識不明、死亡の恐れがある濃度だ。施設管理者と予防課は設備の仕組みを確認しながら、工事などの作業前には消防設備士など設備を熟知した資格保持者が立ち会い、二酸化炭素ボンベ庫の閉止弁を閉じることや、二酸化炭素の噴出中と換気開始から15分経つまでは設備の防護区画内に入らないことなどを徹底した。
 予防課の稲垣博之課長補佐は、事故について、二酸化炭素ボンベ庫の閉止弁が閉じられていなかったことや、消防設備士などの資格保持者が工事に立ち会っていなかったことが原因として、「施設管理者が正しい知識を持ち、工事の施工者などに適切に伝えて欲しい」と語る。また消火設備が作動した際には「消火ガスが噴出するまで必ず20秒以上の遅延措置があるため、落ち着いて避難して欲しい」と話した。
【岸侑輝】
閉止弁の位置を確認。並んでいるボンベに二酸化炭素が充填(じゅうてん)されている
閉止弁の位置を確認。並んでいるボンベに二酸化炭素が充填(じゅうてん)されている
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