豊橋市出身でフリーのコンテンツプロデューサー、佐々木シュウジさんが企画した読み聞かせ写真集「豊橋絶滅動物園」が16日、発売される。豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)が舞台で、初のクラウドファンディング(CF)によって資金を集めた。
「絶滅」シリーズの写真集としては、名古屋市の東山動物園、東京・上野動物園に続く第3弾。のんほいパークにいる絶滅危惧種の動物の写真と、その動物に関するコラムを親子で読みながら、なぜ絶滅しそうになっているのかを考える。
取り上げられているのは、国際自然保護連合(IUCN)の定めたレッドリストに登録されている「深刻な危機(CR)」「危機(EN)」「危急(VU)」の三つのカテゴリーの動物。
最初に出てくるのはCRの「ヨウスコウワニ」で「68-86」という数字が大きな文字で書かれている。IUCNが発表した地球上の生息数という。次はスマトラオランウータンでのんほいパークにいるウータンとウラン。
そしてENのカテゴリーにはアムールトラ。「マイナス97%」と書かれている。トラは多くの動物園にいるが、野生のものは120年で97%も個体数を減らしたのだという。アジアゾウ、チンパンジー、レッサーパンダなど、おなじみの動物が登場する。
2050年、地球の人口は100億人になるという。その時、今10歳の子どもたちはどんなニュースを目にするのか。「ラッコが日本の水族館からいなくなりました」「ゴリラが日本の動物園からいなくなりました」-。そうならないために、気付きを通して生活様式を改め、子どもたちの未来を良いものにするための選択肢を増やしたい、と佐々木さんは言う。
B5判横116㌻で1300円(税別)。撮影は松本幸治さん。豊橋市内の豊川堂、精文館書店で先行販売中。
10月からは、写真集で掲載しなかった動物たちの写真を使い、豊川堂でパネル展を計画しているという。
【山田一晶】