あいスタ取得に四苦八苦

2021/10/04 00:01(公開)
「五月寿し」の筒井さん。ピンク電話からコールセンターにかけてみたが…=豊橋市八町通3で
「五月寿し」の筒井さん。ピンク電話からコールセンターにかけてみたが…=豊橋市八町通3で
 緊急事態宣言解除後の最初の週末。県内の飲食店は、全面解除とはいかないながら、久しぶりに酒類を出すところもあった。ただ、第三者認証制度「ニューあいちスタンダード」(通称、あいスタ)を取得しているかどうかで、営業時間に1時間の差が出る。インターネットが使えない高齢者が経営する店では、取得に四苦八苦している。
 豊橋市八町通3の「五月寿し」を訪ねた。30年来前、よく食べに行った。昭和の終わりから続く店だ。
 磨き込まれたカウンターには、飛沫(ひまつ)防止用のアクリル板が備えられていた。1年半前、久しぶりに訪ねた時にはなかった気がする。店主は筒井良昌さん(77)。まだ「あいスタ」に登録できていない。
 筒井さんはインターネットは使えない。県はコールセンターを開設している。店のピンク電話で電話したが、自動案内のため、プッシュ音が出ないと次に進めない。「ガラケー」でかけ直してみたが、延々と待たされ、結局諦めた。音声ガイドも早口で、よく聞き取れないという。
 市役所も訪ねてみたが、「あいスタ」の申し込みポスターやチラシが貼ってあるだけで、手伝ってはくれないようだ。
 県防災危機管理課によると、豊橋市内では約1500店が対象とされるが、9月末現在で登録されたのは408店。大村秀章知事は、申請店の早期調査を指示しているが、そもそも申請に至っていない店もある。
 「前の時みたいに、書類を書いて自己申告制にしてくれればいいのに」と愚痴が出た。筒井さんは「私みたいな年寄りがやっている店はたくさんある。優しくない」とため息をついた。申請できる見通しはたっていない。
【山田一晶】
書類には「あいスタ」の認証番号を書く欄もある
書類には「あいスタ」の認証番号を書く欄もある
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