犬猫の遺棄は犯罪です

小さな命を守る

　豊川市の大きな公園の駐輪場で３日午後、段ボール箱に入った５匹の子猫が捨てられているのが見つかった。連絡を受けた市民団体「命にやさしいまちづくり　ハーツ」が豊川署に通報した。動物愛護法では、犬や猫などを遺棄すると１年以下の懲役または１００万円以下の罰金になる。
　ハーツ代表の古橋幸子さんによると午後４時過ぎ、公園にウオーキングに来ていた男性から通報があった。さらに１時間以上前に捨てられたとみられる。大きな駐車場の前の駐輪場に置かれていた段ボール箱にはキャットフードと水が添えてあった。「絵に描いたような捨て猫」と古橋さん。白黒の毛並みで、生後２カ月前後とみられる。子猫は警察には預けず、ハーツが一時的に引き取った。
　通報で駆けつけた署員が現場を確認し、ハーツメンバーから事情を聴いたという。緊急事態宣言が明けた最初の日曜だったため、公園には多くの車と人が来ていたといい、人目を避けてどのように遺棄したのかは分からない。公園には監視カメラがあるため、ハーツが管理者と交渉して遺棄につながる映像が残っていないかどうか調べる。また、目撃情報を集めるためチラシを作り、情報提供を呼びかける方針。
　古橋さんによると、東三河は「猫捨て場」と呼ばれる場所がいくつかあり、この公園もその一つ。管理者もそのことは認識しており「動物の遺棄は犯罪です」と書かれたポスターが貼ってあるが、今回の子猫はその横に捨てられていた。
　昨年、日本動物愛護協会を支援するために「ＡＣジャパン」が流した「犯罪者のセリフ」というコマーシャルが話題になった。ドライフードを置いても、優しい言葉をかけても、犬猫を遺棄するのは犯罪になる。
【山田一晶】