豊川市の女性がこのほど、童話と詩を一冊にまとめた詩集「妖精リルル」を出版した。3歳で漢字混じりの文章を読みこなしていたがその後、発達障害と診断され、現在は病院とグループホームを行き来する。出版社の編集者は「幼少期の段階ですでに作家としてのセンスがあった」と絶賛している。
作者は戸加里葉奈子さん(35)。ペンネームはHANAKO。現在は豊橋市で入院している。母で一連の作品をまとめた桂子さん(59)によると、生まれた直後から絵本の読み聞かせを続けるなどした結果、3歳で漢字混じりの文章だけでなく、英語の本まできれいな発音で読めるようになった。
だが、4歳で入園した保育園では他の子となじめず、いつも一人で本を読んでいたという。排尿がうまくできなかったことから、保育士から児童相談所へ行くよう勧められたこともあった。
小学校、中学校へと進むうち、「変な子」扱いされていじめを受けるようになる。それでも中学は皆勤賞だった。部活も休まなかった。だが高校は中退。その頃、アスペルガー症候群と診断された。18歳でパニックを起こして精神科に入院し、現在も入退院を繰り返している。
昨年3月、葉奈子さんがグループホームに入所する際、桂子さんが私物を整理中に改めて作品群を読み直し、出版社に送ったことから書籍化が実現した。自身のこれまでを振り返ったプロローグ、13歳とは思えない豊かな言葉でつづった「無題」などの詩、そして自身を投影したらしい表題の「妖精リルル」は小学校5年の時に書いた。人間の男の子に恋する妖精の物語だ。エピローグには桂子さんの絵とエッセーも載せた。花びらと葉っぱが舞う表紙は葉奈子さんが描いた。
桂子さんは「子どもに障害があることは恥ではない。子どもの持っているものを見つけてあげて」と呼びかける。
幻冬舎刊、80㌻。豊橋、豊川の両市の大手書店やネット通販のアマゾンで発売中。
【山田一晶】