イチゴ生育状況の計測アプリ開発

2021/12/19 00:02(公開)
スマートフォンなどに送られる栽培状況の調査データ(提供)
スマートフォンなどに送られる栽培状況の調査データ(提供)
 AI(人工知能)による画像解析を元に、イチゴの生育状況が随時計測できるアプリを豊橋技術科学大学の高山弘太郎教授(機械工学系)らの研究グループが開発し、生産現場向けに無償公開した。情報通信技術を生かす「スマート農業」で課題だったデータ収集などの省力化につながり、社会実装へ弾みになると期待される。
 イチゴの栽培は葉の量や大きさ、花や果実の数を観察しつつ、季節や天候に応じて生育バランスを整えるなど高度な知見が求められる。目視や計測作業にかかる時間と労力も課題だった。
 このアプリは、栽培現場で撮影したイチゴの植物体の画像をAIで解析し、必要情報を自動的にカウントして結果を端末の画面に表示する。果実は色などから成熟度の把握もできる。
 集めた栽培状況のデータは、事前に収集した熟練農家や研究機関などが推奨する最適値の範囲内に収めることで、生育バランスのとれた栽培が可能になるという。
 解析結果はダウンロードして保管とグラフによる可視化が可能。生産者グループで生育情報やノウハウを共有したり、営農指導員の助言にも生かせるという。今後はサービスの有料化へ、生育バランス診断や収量予測、双方向通信での栽培管理の助言といった機能拡充を図る。その上で、植物工場などの栽培支援や新品種の栽培マニュアルなどへの応用を見込み、将来的なスマート農業の後押しになると期待される。
 高山教授は「営農指導員などの指導にも生かせる。難しかった栽培技術の継承にも役立つ」と展望を示した。
 生産者や指導員向けのアプリのため、試供版ダウンロードや問い合わせなどはメールで豊橋技術科学大学(info.agri.tut@gmail.com)へ。
【加藤広宣】
AIの機械学習で成熟度まで測れるという(同)
AIの機械学習で成熟度まで測れるという(同)
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