水難事故防止へ東栄・蔦の渕に看板新設

　東栄町は「奥三河のナイアガラ」の異名を持つ滝「蔦の渕（つたのふち）」を訪れる行楽客向けに水難事故防止を呼びかける看板を新設した。２年前に死亡事故があった。新型コロナウイルス禍で「３密」を避けて散策する人が増加傾向にあることから、注意を喚起する。
　蔦の渕は町内を西から東へ流れる大千瀬川の中央部にある。幅約70㍍、落差約10㍍の滝で雄大な風景で知られる。左岸の「とうえい温泉」側には滝を見下ろす展望台、右岸の「東栄変電所」側は川原までつながる散策路がある。
　新型コロナ禍で２０２０年夏は行楽客が増加した。同８月15日には蔦の渕近くで18歳の男性が川で溺れて亡くなる事故があった。
　右岸側で「水の事故に注意！」と呼びかける看板は「天気や川の流れに気をつけて、万全の準備をお願いします」と注意促す。町のマスコットキャラクター「オニスターからのおねがい」として渕の中は水流が急で複雑に渦巻いており、過去には死亡事故が起きたことを伝える。
　同時に、両岸にある案内看板も一新した。現地へのルートだけでなく「急な階段注意！」の呼びかけや、観光情報サイトと川の防災情報を紹介するＱＲコードも載せた。
　町経済課職員は「訪れてから帰るまで、楽しい思い出づくりのために役立ててください」と話している。
【安藤聡】