実力のある飲食店を支援 美容室がグルメサイト運営

2022/03/01 00:02(公開)
pingleをPRする山本さん
pingleをPRする山本さん
現場の肌感覚から始まった東三河のグルメサイトがある。新型コロナウイルス感染拡大で経済に深刻な影響が出続ける中、豊橋市などで美容室を経営する企業が、閉店の危機にさらされている実力のある飲食店を支援しようと、消費者目線で立ち上げた。
 グルメサイト「pingle(ピングル)」は、美容師と客の会話から始まった。東三河で美容室など21店舗を経営する「ルプラボウ」(豊橋市八町通3)は、各店の美容師から飲食店の深刻な経営状況が相次いで伝えられたことなどから、実力のある飲食店を支援し、地域経済に貢献しようと昨年7月、このサイトを立ち上げた。
 「pingle」は会員制サイト。飲食店の支援という観点から、飲食店に掲載費用はかからない。主に店舗間での口コミや利用者からの推薦で掲載が決められている。これまでに東三河を中心に191店舗が載っている。
 客が利用するには、登録のために月額330円を払う。店舗が発行するクーポン券を何度でも利用でき、自分が知るおいしい店などをこのサイトに掲載するよう提案することもできる。現在の利用者は約100人と少なく、赤字の状態が続いている。
 しかしサイト運営を担当する山本光瑠マーケティング部長は「たくさんのクーポン券、スマホ一つで完結する使いやすいサービス、東三河に特化した情報量は、月330円をはるかに上回る価値を提供していると確信しています。地域の活性化に貢献するためにはまずは会員数を増やし、継続できる仕組みにしたい」と話す。美容師の現場の肌感覚から始まった取り組みは、産声を上げたばかりだ。

取材後記

 美容師と利用者の会話から社会の問題を感じ、解決のためのビジネスに挑戦する。200人を超える従業員の現場の肌感覚を生かしたお手本のような地方創生の事業だ。この取り組みを持続可能な事業とするには「この地域の情報が多く新しい」と認識される情報量が必要だ。さらに飲食店側が出したい情報ではなく、利用者が求める声をリアルタイムで反映し続ける機動性を維持することも欠かせない。大手グルメサイトとの差別化を明確にし続けることが急務なのだ。
(本紙客員編集委員・関健一郎)
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