豊橋市「まちなか図書館」で15日、種田澪館長の月例企画「館長がいま会いたいひと」と題した対談があった。映画作りのため市内へ移住した映画プロデューサーで俳優の谷口由里子さんをゲストに迎えた。豊橋での映画作りにかける思いなどを語り合った。
谷口さんと豊橋市との出合いは2019年。東京都内の劇団員時代に関わった「ええじゃないかとよはし映画祭」が準グランプリを受賞したことがきっかけだ。「豊橋や東三河を舞台にした映画を作ろう」と昨夏に市内へ移住した。
移住の理由について谷口さんは「豊橋の人にひかれました。人生は選択の連続。都内から通えばいいという周囲の声もありましたが、行動力と人のつながりを生かしたかった」と明かした。
目指す長編映画と並行して昨年10月には地元ロケによる短編「ひと駅、歩く」が完成。東京、大阪とともに、市内では3月25日にこども未来館「ここにこ」での上映が決まった。今後も第3弾まで企画するという。
昨年末には作品にも出演する俳優仲間の蔭山ひろみさんとSNSで「映画ができるまで、」のプロジェクトを始めた。制作過程などの投稿を日々更新している。
豊橋や東三河との関わりで実感したことを問われると、「人とのつながりが素晴らしく、それぞれが魅力的だった。『この人と会ったから』といえる出会いに恵まれました」と喜んだ。
一方、関わった人への思いから「もう、自分だけの夢や活動ではなくなりました。作り手としての覚悟を決め、結果的に移住につながったのかも」と振り返った。
現在は制作費の一部220万円を賄うためのクラウドファンディングが大詰めを迎えている。17日いっぱいまで「うぶごえ」=QRコード=で支援を募っている。
谷口さんは「映画作りやSNSのプロジェクトでは、一緒に作品を完成させる感覚を大切にしたいです」と賛同を呼び掛けた。
【加藤広宣】