県立豊橋商業高校は、新年度に入学する生徒の制服を一新する。開校当初からほぼ変わることの無かった詰め襟と濃紺のセーラー服から、ジャケットスタイルに変更。来年度の学科改編、2026年度に迎える創立120周年に向けてフルモデルチェンジとなる。
昨年度から白井由美子校長の下、伝統を残しつつも気候変動やLGBTQなど性的少数者にも対応できる新しい時代に即した制服づくりを進めてきた。
スーツとブレザーの2種を試作し、全校生徒からアンケートをとったところ、ブレザータイプに人気が集まった。ジェンダーレスに配慮し、スカートとスラックスには誰でもはける型を用意した。
スカートとスラックスはチェック柄。「人と人との交流」をテーマに、プリントではなく全国的にも珍しい「織り柄」でチェックを作った。ジャケットとボトムの色に少し濃淡を付けたのもおしゃれだ。地域に根ざした伝統ある学校らしく、誠実さを感じさせる落ち着いたデザインに仕上げた。
また、ネクタイとリボンはえんじ色と金色の2色を使って2パターンずつ作った。
セーターやベストも紺色または白色から選択できる。気候やTPOに合わせた多様性のある着こなしが可能になった。
ジャケットのボタンは校章の桐をモチーフに生徒が考案したオリジナル柄。ジャケットはスラックスにもスカートにもマッチするシングル二つボタンになっている。
デザインも機能面も重視。着心地や動きやすさ、全アイテムが洗濯できる抗菌・防臭素材で、清潔さにもこだわった。
「在校生もうらやましがっている。新しい制服で自分の多様性や個性を伸ばし、自分らしさを表現しながら成長してもらいたい」と生徒指導主事の岩田裕志教諭。高校の合格発表当日には、飾ってあった新制服が受験生や保護者からも好評だったという。
【田中博子】