トラック運送の中継輸送支援システム「ドラ基地」を手掛ける「スペース」（蒲郡市）の村井美映社長（34）が12日、東京都内であった「デル女性起業家ビジネスコンテスト」で優勝した。物流業界が抱える「２０２４年問題」の解決につながる提案が一般投票で支持された。村井社長は「サービスの本格稼働へ弾みがつく」と喜んだ。
　２泊３日が基本の長距離便ではドライバーの労働時間は１日16時間に上るという。来年４月の法改正に伴う労働規制強化は物流業界の「２０２４年問題」とされ、輸送効率化による収益確保との両立が課題に挙がる。
　「ドラ基地」は運送会社同士の協業を促し、中継輸送でトラックドライバーの日帰り運行を可能にする新たなプラットフォーム。鍵を握る中継拠点のシェアやドライバーのマッチング機能を備えたサービスを目指す。
　最終選考は書類審査を通過した８人が、大会ウェブサイトで約３分の事業提案の動画を公開。一般投票でもっとも支持された村井社長の優勝が決まった。
　村井社長は「物流業界と関係者を取り巻く社会課題や解決策を一般消費者に広めたかった。輸送距離や運行時間を減らすことで、効率化と増収へつなげられる提案ができた。来年の本格稼働へ内容を充実させたい」と意気込んだ。
　コンテストはパソコンメーカー「デル・テクノロジーズ」が主催。優勝者には記念楯と副賞として３００万円相当のデル製品が贈られる。
【加藤広宣】