豊橋市内のある家で、今年も数百体のサンタクロースの人形が室内を埋め尽くした。この家の女性(80)は「知り合いだけで楽しみたい」と匿名を条件に取材に応じる。夜になると見事なクリスマスイルミネーションが通りを照らしており、それを見たことがある人は少なくないだろう。
三十数年前に百貨店でサンタクロースの人形を勧められたのが始まりだった。それから毎年のようにサンタの人形やクリスマスグッズが増えていった。もう生産していない貴重なものもある。
普段はしまってあるが、ハロウィーンが過ぎると親子で並べ始める。設計図があるわけではないので、配置は毎年変わる。「昨年と比べてどうかしら?」と来る客に尋ねている。
もう、人形が増えることはない。夢のある百貨店がなくなった、と女性は嘆く。また、このようなかさばるクリスマスグッズに需要があるのかどうかも分からない。
女性は気心のしれた友人やその人が招いた人を一緒に、人形をめでながら紅茶と菓子を楽しんでいる。新型コロナウイルス禍も収まりつつある。以前のように「サンタがそろいましたよ」という電話がかかってくるのを待ちわびている人も多いようだ。
【山田一晶】
リビングのテーブル。知人と紅茶を味わう
見事なイルミネーション