愛知学院大学法学部3~4年の学生9人がこのほど、蒲郡市の竹島水族館や市生命の海科学館、市役所を訪れ、深海魚の生態やSDGs(持続可能な開発目標)について学んだ。
国際法の尋木真也准教授のゼミで「国際環境法」「生物多様性」を学んでいる。深海にすむ生物などが持つ特性や能力が、今後の社会にどのように役立つのかを調べている。県内では唯一、深海魚がとれる沖合底引き網漁船がある蒲郡市で、深海魚に特化した展示に取り組む竹島水族館と、関連の企画展を開いている科学館の職員から詳しい話を聞くことにした。
学生は、水族館で深海魚担当の平松涼太郎学芸員から、魚の特徴や利用法などについて質問した。館内でタカアシガニやオオグソクムシなどの生物に触れて知識を深めた。
科学館では海の生物に詳しい高井芙樹学芸員を訪ねた。学生は過酷な深海の環境で生活する生物の特徴を教わった。高井学芸員はマイクロプラスチック問題の解決に向け、代替材料として注目される深海の生物「ハオリムシ」の特徴を説明した。
続いて、生物多様性とSDGsに関連して市が積極的に取り組む「サーキュラーシティ」を知ろうと、市役所のサーキュラーシティ推進室を訪問した。羽田野裕昭室長から循環経済の仕組みや、市が事業者と一緒にやってきたこれまでの実証実験の内容などのについて説明を受けた。
4年生の村田智咲さんは「水族館での観察から、魚の行動についてより深く理解することができた。明白に動きの違いがあり、生物の適応能力に対する興味が湧きました」と話した。3年生の野田愁斗さんは「科学館で聞いたマイクロプラスチック問題の解決に、深海の生物が関わっていることを知って面白かった」と述べた。
調べた内容をまとめてゼミで発表する予定。
【林大二朗】
科学館職員を講師に深海の知識を深めた=蒲郡市生命の海科学館で