豊橋信用金庫は14日、信用金庫としては県内で初めて「ビジネスカジュアル」を全支店で導入した。性別を問わず、就業中の服装の制約を無くす。堅い服装が求められる代表格でもある金融機関でのビジネスカジュアルの導入は、画期的で興味深い。その狙いや効果、課題について、総合企画部広報戦略課の石田紗世さんと人事部の阪下綾さんに聞いた。
―「ビジネスカジュアル」導入の経緯を教えてください。
阪下 地球温暖化による酷暑への対応や、自分の服は自分で決め個性を表現できる多様性を認めることなどを目的に導入を決めました。昨年6月に男性職員のネクタイ着用を義務付けないことにし、今年5月からは本部で女性の制服の廃止を決めました。14日からは全店舗を対象にしました。11月までが移行期間です。
―実際に導入したことでどのような影響や反響がありましたか?
石田 職員からは、職場の雰囲気が明るくなったという声や、楽になったという声を聞きます。私は制服を着ていたので体が軽くなった気すらしています。子育て世代は、子どもを迎えに行く際に私服に着替える手間が省けたことがうれしいという声が多いです。
阪下 お客さまからは、この暑さの中、スーツで汗だくの職員が来るよりも、爽やかな服装で来てもらった方が暑苦しくなくてよい、と好意的なご意見をいただいています。
―今後の課題はどうお考えですか。
阪下 豊橋信用金庫の「ビジネスカジュアル」の意味を全職員が認識することです。新しく入って来た職員はいきなり「ビジネスカジュアル」と言われても、金融機関の服装の基準がどの程度かの肌感覚が培われていません。ですので、研修などを通じて金融機関の職員としての肌感覚を培う環境を整えていくことにしています。
石田 信用金庫という企業の特質上、従事する業務の幅は非常に広く多岐にわたります。職員それぞれが、TPO(時間、場所、機会)を考え、金融機関としてあるべき服装と自分が来たい服装の間でファッションを楽しんでもらいたいです。
―この出来事をどう位置付けていますか?
石田豊橋信用金庫は「夢を預かる、金融機関。」というビジョンを掲げています。お客さまにとって、自分の夢を応援してくれる会社、夢を聞いてくれる会社、そして夢の実現を支えてくれる会社だと思われることを目指しています。目の前のお客さまの夢への最短距離を自分の頭で考え、お客さまとともに歩むことができる金融機関でありたいのです。親しみやすく、自立する職員であれ。「ビジネスカジュアル」の導入は、その手段の一つです。
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鎌倉市出身の45歳で四人の子育て真っ最中。NHK記者として11年仕事をしてきた。その後、豊橋に住んで今年で10年目。東三河地域でいまだ日の目を見ぬ素晴らしい取り組みをしている企業に東愛知新聞で光を当てることができるよう取材している。趣味はサッカーと筋トレ。
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