豊川市の豊川稲荷に27日、西元祐貴美術館が開館した。旧寺宝館を改装し、100点以上の墨絵を展示する。御開帳記念事業の一つ。
西元さんは1988年鹿児島県生まれ。日本を代表する墨絵師で、見る人を圧倒するダイナミックな表現が特徴だ。香港クリスティーズオークションでは、その場で描き上げた墨絵が即座に落札された。
豊川稲荷関係では、72年ぶりに来秋ある午年開帳のポスターデザインを担当しているほか、墨絵絵巻で日本最古の「鳥獣戯画」を現代の感性と融合させ「豊川 新鳥獣戯画」の襖絵を制作している。
これら縁で美術館を開館し、学生時代から現在までの作品を展示した。展示室の入り口には、迫力満点の「阿吽の狐」が左右に並び、来館者を迎える。力強い「侍」、躍動感あふれるアスリートなど、さまざまな墨絵が並ぶ。現代風の展示で、プロジェクションマッピングなど光と音で演出する。
記念式典が開かれ、館長を務める福山憲隆住職は「子どもから大人まで楽しめる作品で、モノクロの世界ですが、さまざまな色が見えてきます。多くの人に来館してほしい」とあいさつ。西元さんは「自分の名前が付いた美術館ができるのは、とてもうれしい。作品から墨の香りも感じられます」と述べた。大村秀章知事、竹本幸夫市長らも駆けつけ祝辞を述べた。
また西元さんのライブパフォーマンスがあり、縦2㍍、横3㍍の紙に約20分でキツネの絵を描いた。
開館日は土日祝日。午前10時からで最終入館は午後4時。入館料は一般1500円、中学生以下無料。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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