金属リサイクル業の「トーヨーメタル(愛知県豊橋市大岩町字佃)は今月1日、三つの新工場を同時開設し、新体制をスタートした。用地取得などを含めた投資額は約5億円。主力のミックスメタル(鉄・非鉄混合屑)事業の物流、選別、設備メンテナンス体制をそれぞれ専門の工場で分担・強化し、事業基盤を固める。
千葉県富津市を拠点に関東でのミックスメタル集荷を拡大し、この2年で取扱量が2割増大した。全社での扱い量も月間5000~6000㌧に増加したが、既存拠点が手狭になり、受け入れ能力が上限に達していた。この課題に対応するため、事業効率の向上を目的とした今回の投資に踏み切った。
新たに稼働したのは、物流センター(千葉県富津市)▽ECOセンター(同)▽豊橋サテライト―の3カ所。
物流は敷地面積約7300平方㍍。70トン・トラックスケールなどを備え、ミックスメタルの輸出入の拠点として機能させる。ECOは、関東支社第三ヤードを転用し、選別専用拠点として再スタートした。障害者20人を含む25人体制で、コンベヤーラインでの手選別を担う。障害者雇用を通じて、企業の社会的責任を果たす狙いもある。豊橋サテライトは、設備メンテナンスと部品在庫を担う拠点。同社が多用する海外製の選別・加工設備の部品をあらかじめ在庫することで、突発的な操業トラブルにも迅速に対応できる体制を整えた。
これに伴い、一部既存拠点の名称も変更し、アルミセンターを「ソーテックセンター」、原町ヤードを「マテリアルセンター」、豊橋港ヤードを「豊橋ポート」とした。
大久保啓介社長は「10年、15年先を見据えた事業の効率化に重点を置いた投資。新体制で、社会的にニーズが高まっている資源の有効活用を一段と推進していきたい」と話している。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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