豊橋創造大学は25~26日、市民向けのイベント「防災フェス2025」を開いた。大学祭「創造祭」に合わせた企画で、多くの人が訪れた。
防災講演会が計5回開かれ、26日には県防災安全局の青山幸久さんが「大地震! その時どうなる? どう備える?」と題して講演した。
青山さんは、これまで東日本大震災や能登半島地震など数々の災害現場で支援に当たってきた経験から、「行政職員自身も被災者になる。道路の寸断や通信の混乱で『公助』はすぐには届かない」と、行政支援の限界を指摘した。
また阪神大震災では、助かった人の約8割が自力または家族や隣人に助けられた「自助・共助」によるものだったというデータを引用。「目の前の命を救うのは、その場にいる人しかいない」と強調した。熊本地震では45市町村で聞き取りをした。西原村のある集落では、家屋の9割近くが全壊したが死者ゼロだった。「地震が来たら、まず交差点に集まる」という日頃からの決め事が徹底され、住民が互いの安否を確認し、閉じ込められた9人を地域住民で救出した結果だった。
青山さんは「防災を特別なことと考えず『いつものもしも』を考えてほしい」と呼び掛けた。
学内では学生による創造祭のさまざまなパフォーマンスも繰り広げられた。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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