軟体動物多様性学会の大会が13日、豊橋市自然史博物館で開かれた。貝類などの研究者が全国から集まり、最新の成果を発表した。豊橋市での開催は初めて。
市自然史博物館からは学芸員の一田昌宏さんが登壇し「豊橋市自然史博物館における軟体動物を含む無脊椎化石標本の現状とMicroCTを用いた研究の進展について」と題して話した。
博物館は貝類を中心に古生代から新生代まで約6億年分をカバーする約60万点を収蔵している。うち78%が寄贈標本で、全国のコレクターが一生をかけて収集した質の高い資料が集まっていると紹介した。主要なコレクションとして厚木層群や掛川層群、ドイツ産のアンモナイトなどジュラ紀頭足類の標本を写真とともに披露した。
標本作成の手法についても紹介。多角度からの写真撮影による3Dデータ化と合わせ、市の財産でもある標本を破壊せずに調査する手法として、CTスキャンを使うことが有効と分かってきたなどと述べた。従来、石灰岩に包まれている貝殻の化石は両者の密度が近いため、CTスキャンでは調査できないと思われていたが、殻だけ別の物質に置き換わっている標本が多いことが分かってきたという。
一田さんは非破壊調査が可能なCTスキャンの優位性について語り「軟体動物の原生生物を含め、CTを用いた研究はさらに進んでいくと考えている」との展望を示した。
発表会後は現生標本と化石標本の収蔵庫の見学会があった。学芸員らが少しずつ整理を進めている膨大な標本群に参加者は関心を寄せた。
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地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
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