豊川高校女子サッカー部が「第34回全日本高校女子サッカー選手権」(28日開幕、神戸市)に2年連続で出場する。昨年の「史上最強世代」の後、2年生中心の若いチームが苦しんでつかんだ全国への切符だ。
今秋の県予選決勝で、豊川は昨年と同じ相手の聖カピタニオ女子と対戦した。PK戦の末に勝利し、全国大会出場を決めた。
試合は前半22分に先制点を許す苦しい展開。しかし、ハーフタイムでの牛田佳祐監督の檄(げき)が選手たちの心に火をつける。「やるべきことをやらないで負けてどうするのか」
後半5分、自陣からの美しい連続パスで相手ゴール前に迫り、混戦からこぼれ球を西村和選手(1年)が押し込んで同点とした。さらに同20分、山﨑明日菜選手(2年)の鋭いヘディングシュートで逆転に成功する。しかし、再び同点に追いつかれ、勝負はPK戦へともつれ込んだ。昨年度に続くPKでの勝利にグラウンドは歓喜に包まれた。
昨年はエースの濱田優音選手らを中心に、新人戦、インターハイ、選手権の県予選で3冠を獲得し、史上最強世代の呼び声が高かった。しかし今年は経験のない若い選手たちが中心となるチーム編成となった。新人戦、インターハイ予選ともに敗退。牛田監督は今年のチームを「我慢の年」と位置づけ、「今年は厳しいと感じていた」と言う。
牛田監督は諦めなかった。合宿をし、大会期間中には強豪校との練習試合や遠征もこなした。「やれることはすべてやった。やりきって駄目なら諦めもつく。選手たちにも『これだけやって無理なら仕方ない』と思えるまで取り組ませた」と振り返る。
県大会を前に、牛田監督は周囲に「今年の優勝確率は30%だ」と語っていた。「箱の中にある10枚のくじから3枚の当たりをどう引くかという作業だった」と説明する。練習での動きを見て、主力でも調子が悪ければ外した。
全国大会初戦の相手は、関東予選首位の鹿島学園だ。勝てば次はインターハイ王者の大商学園。それでも牛田監督は「相手が強いからと弱気になってはいけない。一歩でも先へ進めるよう戦いたい」と語る。主将でゴールキーパーの鈴木瑠夏選手は「昨年の先輩たちが成し遂げた『全国1勝』を超えたい」と意気込んだ。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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