愛知を拠点に活動する怪談作家らが創作の舞台裏を語るトークイベントが28日、豊橋市の「まちなか図書館」で開かれた。「意味が分かると怖い話」で知られる作家の藤白圭さんがゲストとして登壇し、地元の怪異を掘り起こす「愛知怪談」の執筆陣とともに、怪談の収集術や執筆のこだわりについて語り合った。
ネタの収集について、郷土史研究家の島田尚幸さんは「市史を読み込み、歴史に埋もれた不思議な話を整理してキャラを立てるのが愛知怪談。関心のない棚から本を探すのが面白い」と語った。作家の赤井千晴さんは「集落の自費出版冊子や農具の記録に怪異が載っている」と資料調査の重要性を強調した。創作怪談の藤白さんは「電車の窓に映る人の不自然さなど、日常の違和感を物語に結びつけている」と独自の視点を披露した。
物語の結末について、作家の御於紗馬さんは「最後の一行で全てをひっくり返し、読後にじわじわ残るようにしている」という手法を明かした。島田さんは「読者が想像できる余白を作りたい」と述べた。藤白さんと作家の加上鈴子さんは、伏線回収による読後の納得感を重視するという。
会場からの「脚色」に関する質問に、藤白さんは「不要な部分を削り、山場を上手に作って調理することが大切。実話か否かにかかわらず、読み手に面白いと思ってもらえる構成を意識している」と説いた。
愛知のお勧めスポットとして、赤井さんは東栄町の花祭りを挙げ、島田さんは「一番のスポットは図書館。地域の資料から地元を知ると、そこからすでに異界への扉が開かれている」と締めくくった。
この日は約50人が参加した。企画した地域の魅力発信に取り組む「ばったり堂」の内浦有美さんは「さまざまな角度から怪談の面白さに触れていただけた」と話した。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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