【蒲郡】サーキュラーシティ宣言5年|循環経済の動き着実に広がる

2026/06/19 00:00(公開)
サーキュラーシティ実現に向け取り組む推進室=蒲郡市役所で
サーキュラーシティ実現に向け取り組む推進室=蒲郡市役所で

 蒲郡市が2021年に循環経済をまちづくりに取り入れた都市「サーキュラーシティ」を宣言して、5年を迎えた。この間、市の取り組みに着目した企業が自ら蒲郡への進出を決めるケースが相次いでおり、サーキュラーシティ実現に向けた動きが着実に広がっている。

 宣言後、市は大手フリマアプリ「メルカリ」と連携協定を結んだほか、22年度からは市内外の事業者と連携した実証実験に取り組み、電動モビリティーの無償貸し出しや廃棄物を燃料化するグリーン発電などのプロジェクトに挑戦。循環経済への理解を深めるカンファレンスを毎年開き、市民や事業者を巻き込んだ機運醸成を図ってきた。

現在4社が拠点設置

 

 市によると、サーキュラー関連で蒲郡に拠点を設けた企業は現在4社。廃棄物処理リサイクルを手掛ける名古屋市の「ダイセキ」が23年度に進出したのを皮切りに、使用済みおむつの再生利用に取り組む豊川市の「加山興業」が24年度に続いた。現在、両社は蒲郡商工会議所内のシェアオフィスに営業所を構えている。

 今年3月には国産野菜を粉末化、固形化した食べられるスプーンを製造する刈谷市の「勤労食」も市内に工場を設け、すでに稼働しフードロス対策の新たな拠点となっている。一方、東京都千代田区の廃プラスチック再生素材メーカー「リファインバースグループ」も三谷町の旧染色工場を活用した工場を整備中で、夏頃の稼働を目指している。

 

整備が進むリファインバースの蒲郡工場=蒲郡市三谷町で
整備が進むリファインバースの蒲郡工場=蒲郡市三谷町で

誘致でなく自発的進出

 

 4社はいずれも市による企業誘致ではなく、蒲郡のサーキュラーシティとしての活動に共感し、自ら進出を決めた。市企画部の小田芳弘次長と推進室の杉浦太律室長は、実証実験時の補助や場所の確保、行政手続きの支援など、企業がチャレンジしやすい環境を整えていることが進出につながっていると指摘する。

 リファインバースグループの越智晶社長は「蒲郡がサーキュラーに先進的に取り組んでいるところに着目した。市民や事業者と一緒に活動できる土壌があると感じた」と話し、市が処理に困る廃棄物への技術活用や再生材の公共施設での活用など、今後の市との協働にも意欲を示した。

 

鈴木寿明市長に事業内容を説明する越智社長㊧ら=蒲郡市役所で
鈴木寿明市長に事業内容を説明する越智社長㊧ら=蒲郡市役所で

コンソーシアムも設立

 

 こうした企業進出を後押しするように、市は今年3月、市民や事業者、行政が連携して推進する「がまごおり循環経済イノベーションコンソーシアム」を設立。市内外の企業や団体計28者が参加し、実証事業の支援や情報共有、新規事業開発などを一体的に進めている。

 杉浦室長は「最初は言葉も分からないところから始まり、今は多くの事業者に理解いただけるようになった。市民が行動につながる仕組みづくりを今年度の重点課題としたい」と話した。

 小田次長は「サーキュラーエコノミーが経済の部分でも動き始めている。企業と市民が一緒に活動できる環境をさらに整えていきたい」と述べた。

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林大二朗

 愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。

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