豊橋市美術博物館で、美術コレクション展「絵画のつくり方」が開かれている。作品そのものでなく、画材や技法など作画工程に焦点を当てた。2000点に及ぶ所蔵品から、油彩画や日本画、水彩画などの絵画、木版画や銅版画、リトグラフといった版画を下絵や画材とともに紹介している。観覧無料。10月6日まで。
本画を下絵や画材などと一緒に展示することで、絵画に対する見方を広げ、より楽しく鑑賞してもらおうという試み。「日本画」「版画」「油彩画」「水彩画とパステル」「多様な表現」の5部門に分け、特徴的な作品を並べたほか、実物の画材、技法の紹介パネルなどを展示した。
例えば日本画。森緑翠の「佛山小径」や大森運夫「伊那谷の人形たち」は下図と本画で絵の変化が見て取れる。野島青茲の「少女(ゆき)」のモチーフからは日本画を描く姿勢が分かる。
版画では木版、エッチング、リトグラフ、シルクスクリーンの違いや浮世絵版画の順序摺(すり)が楽しめる。油彩画では岸田劉生の作品の下や裏に別の絵や文字が発見されたと説明がある。
形状や発色など画材ごとに異なる特徴も紹介するほか、従来の画材とは異なる材料を取り入れた作品も紹介。学芸員の田中竜也さんは「鑑賞の参考にして」と話す。
21日午後1時からは日本画家で県立芸術大学文化財保存修復研究所研究員の中神敬子さんによる講座「人はなぜ色を使って描くのか」、22日は中神さんを講師にワークショップ「日本画の顔料に触れてみよう」を開く。26日には担当学芸員のギャラリートーク、28日は「びはく講座 西洋美術史に見る画材と技法」も予定。申し込みは美術博物館ホームページから(ギャラリートークのみ申し込み不要)。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。