拉致問題風化させず力貸して 被害者の曽我さん訴え

2024/09/29 06:00(公開)
講演する曽我さん=豊川市勤労福祉会館

北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(65)が28日、豊川市勤労福祉会館で講演した。「一日でも早く拉致被害者を救い出すために、皆さんの力を貸してほしい」と訴えた。ブルーリボン豊川主催。

 

 1978年8月12日、新潟県佐渡市で買い物から帰る途中、母ミヨシさんとともに北朝鮮に拉致された。曽我さんは2002年10月に帰国したが、ミヨシさんの行方は今も分かっていない。

 92歳になる母について「思い出の中心は母だったが、最近記憶が徐々に薄れていることを思うと、改めて時間の経過を感じる。災害や飢饉の影響で食べ物がないと聞く。ちゃんと食べられる環境にいるのか心配で、胸が締め付けられる」と語った。

 また、北朝鮮での過酷な生活について「米に小石や虫が混ざっているのは日常茶飯事。支給品や生活費もわずかで、安いものを求めに闇市に行くと、ヒヨコが入った卵が売っていた。日本は恵まれている」と話した。

 曽我さんは「どれだけの悔し泣きし、我慢してきたか。拉致問題が風化しないようにしっかりと伝えていきたい」と力を込めた。

 

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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