豊橋市長選 気になる投票率

2020/11/06 00:02(公開)
 任期満了に伴う豊橋市長選は投開票日まであと2日。鈴木美穂、浅井由崇、佐原光一の3氏(届け出順)の陣営は、どれだけの票を獲得できるかを弾く「票読み」に余念がない。しかし、それを左右するのが投票率だ。前回の2016年市長選は29・82%で過去最低を記録した。この30年余で50%を超えたことは1度もない。各陣営でも前回以上の投票率は見込むものの、低い傾向は続くとみている。
 
 前回市長選は「現職対共産」の構図。下馬評でも圧倒的な現職が大差で当選した。選挙権年齢を18歳に引き下げて初の選挙にもかかわらず、過去最低となった。
 それ以前も12年(41・16%)と08年(45・55%)ともに50%以下。08年は保守系の新人2人が現職の早川勝氏に挑む三つ巴の構図だったが伸び悩んだ。それ以前の早川市政時代も“大台”を超えることはなかった。
 過去に50%を超えたのは8回。その半数は高度経済成長期(1955~73年)よりも前の選挙だ。最多当選回数を果たした1人、河合陸郎氏が就任した60年選挙はかろうじて50%を超えたが、残る3回はいずれも3~4割台を推移した。
 投票率が跳ね上がったのは青木茂氏、高橋アキラ氏がともに初挑戦した73年と83年だ。73年は現職の河合氏死去に伴う選挙。83年は3選を狙った現職に県会議長の高橋氏が挑み、歴史に残る大接戦を演じ投票率は80%を超えた。それ以降で50%を超えたことは1度もない。
 今回の選挙戦は、浅井、佐原両氏がリードする構図だ。両陣営とも、前回のような低投票率に終わることはないとみる。
 浅井氏の陣営は「理想は50%超だが、現時点での予想は控える」と慎重姿勢だ。「08年と12年並みの40%台が現実的では」という声が多い。今後は期日前投票の伸びがカギと見ている。
 一方、佐原氏の陣営でも「概ね40%前後で推移するのではないか。これまでの感触で、前回より10ポイントは上昇しそうだ」と予測する。決起大会と集会で再度結束力を強め支持票を上乗せしたい考えだ。

 市選挙管理委員会によると、投票所は各地区市民館など65カ所。
 このうち、前回市長選で投票率が高かったのは杉山の38・74%を筆頭に、嵩山(すせ)の37・76%など、市境にある地域が比較的多い。
 一方、低い地域は牟呂第二の22・24%、汐田の24・33%、吉田方第二の25・91%など。市中心部の周辺にあって新興住宅地を抱える。若い世帯が多いのも特徴だ。汐田は現在も土地区画整理が進む。吉田方も人口急増で中学校を新築移転したほどだ。
 牟呂に長年住む男性は「この20年余り新しい世帯が増え続けた。新旧世帯の比率も3対7で逆転した」という。投票率の低さについて男性は「子育て世代がしらけていないか。公約が彼らの心にどれだけ響くかが重要だろう」と話した。
【安藤聡、加藤広宣】
歴代豊橋市長選挙と投票率
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