動画で紙芝居を配信

2021/06/01 00:00(公開)
「かわいい人形大使」の一場面
「かわいい人形大使」の一場面
田原市図書館ホームページから利用

 田原市図書館は、ホームページから利用できる「デジタルコンテンツ」の充実を目指している。新型コロナウイルス禍で外出自粛要請が続く中、新しい生活様式での図書館利用法となりそうだ。
 図書館のサイトには現在、6本の紙芝居動画が公開されている。いずれもオリジナルコンテンツで、郷土の歴史や文化にまつわる内容だ。
 昨年、コロナ禍の緊急事態宣言が出て、絵本や紙芝居の動画配信が注目された。絵本の読み聞かせや紙芝居の上演は「YouTube」などと親和性が高い。このため、個人が実演する動画の投稿が相次いだこともあった。
 問題となるのは著作権だ。幼稚園や保育園、図書館などで少人数を前に実演するのは認められている。だが、個人が動画共有サイトなどで配信するには作者ら著作権者の許諾が必要になる。
 田原市図書館は、自作したオリジナル紙芝居に限り、動画として「田原市図書館デジタルアーカイブ」で配信することにした。最初に公開されたのは、2019年度にNPO法人「たはら広場」と協働制作した紙芝居「前日物語」。太平洋戦争の終戦前日に起きた「渥美線機銃掃射事件」を伝える内容だ。また田原に伝わる民話紙芝居として「膳貸し岩」「かなしみの鸚鵡石」も同時に公開された。
 そして今年は5月に「田原の歴史紙芝居の動画」として「かわいい人形大使 ミスフクエアツミ物語」「流された永久丸」が、民話紙芝居「海で拾ったお地蔵さん」が公開された。紙芝居の制作は地元有志や読み聞かせグループら。「かわいい人形大使」は、米国から贈られた青い目の人形と、答礼人形の物語。「永久丸」は幕末の江比間村漁民の漂流記。
 動画編集は図書館が担当し、職員が朗読している。
 また、名作などを声に出して一緒に読める「おうちで楽しむ音読タイム♪」も公開中だ。紹介されているのは「五十音」(北原白秋)や「杜子春」(芥川龍之介)など17編。全文テキストを見ながら、音声の指示に従って同時に読み上げる。特別な技術は不要。「自分のペースで、心地よさを味わえる範囲で読みましょう」とアドバイスする。認知症予防などにも効果があるという。
 中央図書館の是住久美子館長は「コロナ禍で外出自粛が続きますが、ご自宅で家族と音読や動画紙芝居を楽しんでいただきたいです」とコメントしている。
【山田一晶】
「流された永久丸」
「流された永久丸」
「前日物語」の紙芝居=田原市図書館で
「前日物語」の紙芝居=田原市図書館で
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

さわらび会 蒲郡信用金庫 藤城建設 住まいLOVE不動産 虹の森 光生会
hadato 肌を知る。キレイが分かる。 豊橋法律事務所 ザ・スタイルディクショナリー 全国郷土紙連合 穂の国