豊橋の危険な横断歩道2カ所廃止

2021/06/16 00:03(公開)
豊橋市向山大池町の横断歩道の撤去作業
豊橋市向山大池町の横断歩道の撤去作業
 豊橋市向山大池町の「東三河環状線」の信号機のない横断歩道で3月5日夜、自転車の男子高校生(16)が乗用車にはねられて死亡する事故が起きた。豊橋署は地元自治会との協議を重ね、事故現場となった横断歩道と、老松町の横断歩道2カ所の廃止を決めた。15日午前10時頃から歩道の撤去工事があった。
 向山大池町の横断歩道は片側2車線の道路にある。信号機がないため今回の高校生が亡くなった事故以外にも過去5年間で5件の人身事故が起きている。老松町の横断歩道は2017年、75歳(当時)の男性が乗用車にはねられ死亡事故が起きたなど、ほかに2件の人身事故が発生した。
 現在、県内には道幅の広い道路にかかり信号機のない「危険横断歩道」が向山大池町と老松町以外に82カ所存在する。向山大池町の自治会は、2018年に信号機を設置してほしいと要望していた。しかし、警察庁の信号機設置の指針では、隣接する信号機から150㍍以上の間隔が必要と決まっていた。現場は北側90㍍と南側120㍍に信号機があったため設置できなかった。
 豊橋署は今回のような痛ましい事故を再び起こさないため、自治会に横断歩道を廃止する方向で説明会を開き、近隣住民に理解を求めた。住民の中には「高齢者が歩くのが大変になる」「遠くなる」などの声もあったが、説得を重ねた。また、自治会も住民と話し合いを重ね、廃止でまとまった。
 老松町の自治会も豊橋署が説明会を開き、理解を求めていた。
 この日午前10時頃から向山大池町の横断歩道の撤去作業が始まった。道路の白い線を工事車両が消し、横断歩道の標識を取り外した。向山校区の高野英司自治会長(70)も駆けつけ、作業を見守った。
 高野自治会長は「危険な横断歩道がなくなり安心した。今後は危険な事故が起きないために見守りを続けます」と話した。
 歩道側にガードレールを設置し、横断できなくするよう、県の土木管理課に要請している。
 豊橋署交通課の本多幸治課長は「ドライバーは横断する歩行者を見つけたら必ず止まってください。歩行者も左右を確認してから渡って」と注意を促した。
【林大二朗】
撤去された老松町の横断歩道
撤去された老松町の横断歩道
事故から1週間後の現場(3月撮影)
事故から1週間後の現場(3月撮影)
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