豊橋市「みらい」の活動 博報堂教育財団の奨励賞

2021/12/07 00:02(公開)
外国人生徒の初期支援校「みらい」=豊橋市立豊岡中で
 日本語が分からない中学生に特化した豊橋市の初期支援校「みらい」の活動が、博報堂教育財団の奨励賞を受けた。生徒が在籍校での生活や学習で安心して溶け込めるよう支える活動。製造業を中心に外国人労働者のさらなる増加が見込まれ、他の自治体からも先進的な取り組みに注目が集まる。
 2018年に市立豊岡中学校内に開校、翌年に羽田中学校への新設を機に「みらい東」「みらい西」の体制となった。日本語指導が必要な生徒に、学校生活への適応や教科学習の橋渡しをする。教室には指導教員、ポルトガル語やタガログ語の相談員とコーディネーターを置く。
 生徒は住んでいる地区の学校に在籍し、10週間で約200時間の集中支援を受ける。数学など学習環境の違いからつまずきやすい教科の指導や、ノートの取り方、宿題の進め方など、学ぶ姿勢も育む。金曜は在籍校で同級生や教員らと過ごす。2校でこれまでに150人が修了した。
 豊岡中の「みらい東」は今年11月で51期生を迎えた。ブラジル人のゲリオ・ダリルさん(2年)は、両親を追って妹と来日したばかり。基礎的な日本語や生活習慣なども学んだ。ダリルさんは「日本語は難しいが、卒業後は働きながら勉強したい」と意欲的だ。
 みらい修了後も「個別の指導計画」は各校に引き継がれ、その後の進路にも役立てている。市内に住む外国籍生徒数は663人で、高校などへの進学率は9割を超える。
 コロナ禍が落ち着き、今後は新たな外国人労働者の流入も予想される。一方で、海外のロックダウンの学習に与える影響も心配される。
 コーディネーターの築樋博子さんは「長年の市のノウハウで、他都市でも例がない手厚い体制が築けた」とする一方、今後は「ロックダウンで満足に学習できない子に対し、さらなる支援が必になるかもしれない」と見通しを述べた。
【加藤広宣】
修了生の文集を手にする築樋さん
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