豊橋石巻で「火の見櫓」再製

2022/10/09 00:00(公開)
再製した火の見櫓の前に立つ森さん(左から2人目)ら=豊橋市石巻平野町で
再製した火の見櫓の前に立つ森さん(左から2人目)ら=豊橋市石巻平野町で
 豊橋市石巻平野町の住民有志らが「火の見櫓(やぐら)」を再製した。2005年まであった先代の3分の1となる高さ約5㍍だが、櫓部分にある見張り台と風見を復元させて公民館敷地内に設置した。8日、地元住民と一緒に完成を祝った。
 先代の火の見櫓は県道81号(豊橋下吉田線)沿いにあった。1953年12月、八名郡石巻村の消防団平野分団のもので、高さは約15㍍だった。拡声器でのサイレンなど通信網の発達で役割を終えたほか、耐震性能がないことから05年に撤去された。
 再製したのは地元に住む市消防職員の森智生さん(58)ら6人。森さんは撤去後、櫓部分が町内で保管されて放置されていたのを気にしており、先輩への感謝と次代を担う子どもたちへの防災意識を引き継ごうと一念発起した。以前の配属先の出張所で知り合った前芝地区の元消防団員らの協力を受け、今年3月から自宅で作業を進めた。
 「解体するのにもさびが激しかった。ねじが外れない部分を切断するか判断を強いられた」と森さんは当時の苦労を振り返る。
 床板や屋根は新しいものに付け替え、風見も据え付けて8月に完成した。銘板と半鐘も磨いて復元した。地元自治会も、公民館敷地内での基礎工事や台座部分の建設と費用で協力した。
 完成式で森さんは「消防団員のなり手が少なくなっている。子どもたちに防火防災への関心を持ってほしい」とあいさつした。自治会の冨安盛夫会長は「町のシンボルとして大切に見守っていきたい」と話した。
【安藤聡】
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