縄文後期、犬の遺骨に供えた貝殻装飾見つかる

2023/11/16 00:02(公開)
伊川津貝塚から出土した貝の装飾品=田原市博物館で
田原の伊川津貝塚で日本初か

 田原市の県指定史跡「伊川津貝塚」で犬の墓に供えた貝殻の装飾品が見つかった。市教育委員会は15日、報道陣に説明会を開いた。説明によると出土品は約3000年前の縄文後期のものとみられ、学芸員は「人と犬との親和性が分かる重要な資料」としている。
 市教委は2008年から発掘を始め、09年に装飾品が出土した。今年度末に刊行する発掘調査報告書の編集過程で、出土品を確認したところ分かったという。
 市学芸員によると出土品は「玉(たま)」と呼ばれる装飾品で長さは1・7㌢ほど。2種類の巻き貝で側面は磨かれて丸い穴が開いている。貝塚の出土品の多くが食用貝だが、今回は食用貝ではないことと、墓跡から見つかったことから犬の遺骨に供えたものと判断した。犬が生前に身に付けていたものか副葬品かは不明という。
 同貝塚は伊川津町の神明社を中心に南北60㍍、東西180㍍の広範に貝層が広がる。東海地方屈指の貝塚で明治時代に叉状研歯の頭骨や「有髯(ゆうぜん)土偶」なども見つかり、市内の吉胡と保美と並ぶ「渥美三大貝塚」とされる。

関係性を示す重要な資料

 過去の研究で犬は家畜として大切にされたとされるが、現代のような愛玩動物だったかは定かではない。市博物館の増山禎之学芸員は「恐らく日本初の発見。人と犬の関係性を考え直す重要な資料になる」と語った。 
【岸侑輝】
伊川津貝塚で発見された縄文時代の犬の墓(市教委提供)
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