田原市は16日、同市豊島町の市中央公園で地震に伴う道路の寸断に備えた架橋訓練に取り組んだ。渥美半島で幹線道路が閉ざされた場合を想定し、陸の孤島となるのを防ぐ。陸上自衛隊の協力で、自走式架柱橋(VLTB)を渡して緊急車両などを実際に走らせた。14日の道路啓開に続く訓練。
能登半島地震では幹線道路など数少ない陸路が寸断された。似た地形の渥美半島も災害時は陸の孤島となることが心配され、海や空とともにもっとも物量が多い陸路の確保が課題だった。
今回は自衛隊鯖江駐屯地に配備するVLTBを使い、豊川駐屯地の部隊も参加した。園内未整備地にある水無川に長さ約10㍍、幅約4㍍の折り畳み式の橋を架けた。自衛隊によると車両6台で全長最大60㍍の橋がかけられるという。
この日は消防工作車やパトカー、電力会社の高所作業車などが自衛隊員の誘導でゆっくりと橋の上を渡ってみせた。
豊川駐屯地の鈴木春彦1佐は「有事にはすべての隊員を振り向けることができない。船やヘリコプターより物量が格段に多い陸上輸送は災害時の重要な動脈だ。道路が壊れた時に限られた人員で陸路を確保するため、市とさらに連携を強化していきたい」と述べた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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