豊橋の瓦業鵜飼さんら被災地で屋根修復支援

2024/02/15 00:00(公開)
崩れた屋根をブルーシートで被う復旧作業=石川県珠洲市で(いずれも鵜飼さん提供)
 能登半島地震では古い住宅を中心に多くの被害が出た。豊橋市大村町で屋根工事会社を営む鵜飼知洋さん(46)は、現在も石川県珠洲市で屋根の応急処置などに取り組んでいる。処置が追い付かない一方、高齢者らを中心に費用負担をためらう光景にも直面した。鵜飼さんは「情報格差もあり、補助金の存在を知らない被災者も多い」と課題を挙げる。
 鵜飼さんは東日本大震災をはじめ、2019年の台風15号に遭った千葉県鋸南町など数多くの被災地で屋根復旧の支援に携わった。20年には各地の若手瓦職人らで被災地支援組織「全日本屋根復興支援協会」を立ち上げた。設立当初5人だった会員数は4年間で約120人に増えた。
 能登半島地震では被害状況を踏まえ、今月2日から初動要員で4人が珠洲市内へ入った。現地で約1週間、被災した住宅の屋根に雨や雪を避けるためブルーシートを掛ける応急作業に取り組んだ。
 石川県の14日午後2時発表の被害状況は、珠洲市で全壊4330棟、半壊2866棟、一部損壊は4358棟に上る。鵜飼さんらはこの1週間で復旧が見込める50棟に二次被害防止のブルーシートを掛け続けた。
 屋根には降雪対策で表面を滑りやすくした「小松瓦」が葺かれ、足元に注意を払いながらの慎重が続くという。鵜飼さんによると、すでに約300棟が処置済みだが、先行きは見通せないという。
 ブルーシートによる応急処置には自治体から5万円の補助金が支給される。申請は2月末まで。鵜飼さんらが被災地を訪ねて感じたこととして「補助制度を知らない人が多く、情報格差や情報弱者が顕在化しているようだ。第三者の発信が不可欠だ」と語る。鵜飼さんら協会では当面、被災地での復旧作業を続けることにしている。
【加藤広宣】
滑りやすい瓦の上で慎重に作業する作業員
古い家が並ぶ住宅街
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