豊橋市松葉町で「田舎」復活、懐かしい祖母の味を地元食材で 三代目の馬飼野さんの挑戦

2025/02/16 00:00(公開)
3代目の馬飼野さん。内観は新城の木を使ったこじんまりとした空間が広がる

 地元食材が楽しめる居酒屋「田舎」が2日、豊橋市松葉町2にオープンした。手掛けるのは、居酒屋「飛騨路」など市内で5店舗を運営する「HTH」社長で、3代目の馬飼野亮太さん(29)。祖母五子さん(89)の「原点の味」を引き継ぎ、新鮮な地元野菜や鶏を使った「おふくろの味」を提供する。

 

 「田舎」は五子さんが営んでいた「飛騨路」の前身の店。「いつでも帰って来られる場所に」との思いを込め、約50年前に開業した。ジビエや地元野菜を使った「どこか懐かしの味」が人気だったが、建物の老朽化で閉店した。 

 

 40年後、20代前半で料理の道に進んだ馬飼野さんは、父で大将の直樹さんの背中を追い、飛騨路で腕を振るってきた。2021年に社長になると、「飛騨路の味を守りつつ会社拡大を」と4店舗を出店した。

 

 「田舎」のリバイバルへの思いが強くなったのは、市が進める「食と農」の事業に参加してから。地元生産者と新メニュー開発をし、東三河の食の魅力に触れた。新店舗への思いが強くなる中、直樹さんに相談すると「自分たちの根幹は飛騨路。枝葉で幹も判断される」と一言。「父の言葉はすんなり入った。味や接客に一切の妥協はない」と言い切る。

 

 看板料理は、地元野菜や豆腐を10時間近く自家製の赤味噌で煮込んだ「煮込みの盛り合わせ」。五子さんも出していたが、今の食生活に合わせて味噌を少し薄めるなど、3カ月でようやく理想の味に。「ここでしか食べられない」と胸を張る。

一押しの「煮込みの盛り合わせ」

 客との距離が近い接客も伝統の一つ。「店の前で待っている客に熱かんを出した」「常連と一緒に来た客にこそ熱心な接客を」「自分が一番大切にしている人を想像して料理を振る舞うように」。これらは祖母や父からの教え。「お客さんが何をされたら喜ぶのかを考えて行動できるスタッフが増えてきた。東三河の味と飛騨路の伝統を感じて」と呼び掛ける。

 

 営業は午後5時~10時半(10時ラストオーダー)、日曜定休。駐車場なし。問い合わせは「田舎」(0532・26・7311)へ。

外観
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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