昨年8月27日に蒲郡市竹谷町大久古で発生した土砂崩れについて、県と同市、水資源機構中部支社、土地改良区は調査結果をまとめた。土砂崩れは「大量の表流水による土石流」の可能性が高いと結論づけている。
土砂崩れは8月27日午後10時頃に発生。崩壊地の面積は約1000平方㍍、崩壊土量は1000立方㍍と推定される。民家が巻き込まれ、3人が死亡、2人が負傷した。
関係機関は調査チームを結成し、学識経験者の助言を得て報告をまとめた。
それによると、崩壊地の地質は花こう岩が風化した「まさ土」。この地質は土石流や土砂崩れが発生しやすいことが知られている。
そして調査チームは土砂崩れについて「大量の表流水の関わりにより流動化した土砂が土石流の形態で斜面を高速で流れ下った」可能性が高いと推定した。通常の土砂災害警戒区域の指定要件には該当しない、勾配30度未満の緩い斜面(勾配28・2度)で発生している。複数の要因が複合的に作用した可能性が指摘されている。
調査では、崩壊後に形成された明瞭な「ガリ」(水の流れによって地表面が削られた地形)が斜面の深い穴から斜面下方まで連続しており、その深さから大量の流水があったと推察されるという。崩壊の深さは1~2㍍程度。斜面の表層で発生したことが分かる。また27日午後6時頃には、被災家屋周辺に大量の濁水が流れていたとの証言がある。
さらに流木が立ったままの状態で見られたことから、土砂が流動化して高速で流下したことを示している。一方で、ガリの起点や斜面途中で湧水や地下水が噴出した痕跡は確認されなかったため、地下水が大量に流出した可能性は低いと判断した。
これにより、土砂崩れ発生前の降雨量自体は土砂災害警戒情報発表の判断基準となる「クリティカルライン」を大きく下回っていたが、土砂が「土石流」のような形で流下したために発生したと考えられるという。
調査チームは、豊川用水蒲郡支線との関連も調べた。支線は現場に近接している。通水テスト、有識者による4回の現地調査などの結果、関連施設から漏水や損傷の痕跡は確認されなかったとしている。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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