東愛知サロン会6月例会が26日、豊橋市の「ロワジールホテル豊橋」で開かれた。講師は豊橋技術科学大学の若原昭浩学長で、演題は「技科大と東三河産業界との新しい共創関係~拡張された半導体関連技術の活用で拓く未来~」。
北海道遠軽町出身。工業高等専門学校から豊橋技科大へ。京都大学での勤務を経て豊橋技科大に戻った。「人生の半分以上は豊橋生活で、家族は三河弁を話している」と笑わせた。
まず、半導体の歴史を説明した。そしてその構造は「小さなスイッチがたくさん詰まっているだけのもので、難しくない」と説いた。また、若原学長も技科大で学んだ製造過程を紹介した。そして半導体産業の分業化が進む中、技科大には設計から開発、製造まで一気通貫できる強みがあると述べた。
「技術科学」とは現場の実践経験を重視し、技術を科学的に研究することによってより高度な問題解決に資する理論を得る学問であると説明。高専出身者たちの教科書の内容にとどまらない挑戦や、産業界の現役社員が多数教員として大学に入り、複数の研究室が混在して研究に当たる様子を紹介した。
1985年当時は世界の半導体メーカー上位10社のうち6社が日本企業だったが今は1社。だが海外メーカーの多くが日本の工場を買収していること、国内の半導体生産能力が落ちているわけではないこと、バブル崩壊後の景気停滞や企業の判断ミスなどが重なったことにあると述べた。
そのうえで「日本の経済複雑性指数(ECI)は依然として世界トップ。だが、材料や装置、知見が散在しているだけで連動しなければ意味がない」という。技科大は今月、次世代半導体・センサー科学研究所を報道陣に公開した。ここで学外の人も、専門の技術職員の指導で設計から試作までを迅速で安価にできるようになると説明。産学官金の連携により、大学を「企業共同研究所」化したうえで、地域産業の振興、人材の供給に務めたい、と述べた。「皆さんとウィンウィンの関係を築き、半導体産業をはじめとする産業力の向上に貢献する。そのために率先して汗をかく」と結んだ。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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