吉田文楽保存会が貴重な「かしら」保存方法検討

2018/06/18 00:01(公開)
確認のため並べられた人形のかしら=豊橋市豊城地区市民館で
 豊橋市に伝わる飽海人形浄瑠璃(市無形民俗文化財)を保存、継承する吉田文楽保存会は17日、人形のかしらの保存について話し合った。能、狂言の専門家も訪れ、かしらが貴重であるとともに、道具や技芸の継承を指摘。同保存会は今後、特に定期公演で使用していない17のかしらの保存方法を検討していく。
 文楽は人形と太夫の語り、三味線の音楽でなる人形劇。1体の人形を3人の人形遣いが操る。江戸時代、大阪で飛躍的な発展を遂げた。
 同保存会は昨年、定期公演前の練習に迎えた人形浄瑠璃文楽座(大阪)の人形遣い吉田勘彌さんから、使っていた人形のかしらが「大変貴重。他のかしらも調査した方がいい」との助言を受けていた。
 このため、公演で使用している人形のかしらと、鈴木省二会長宅に保管された17のかしらの調査に乗り出した。
 この日は、練習会場の同市豊城地区市民館に会員らが集まり、計45のかしらを確認した。
 名古屋市で能、狂言などを専門にする伝承文化研究センター所長・林和利さんは「特に狂言が専門だが」と断りつつ「かしらの表情、作りが本格的。そのかたちにおいて、大阪の本道の流れを受け継いでいて貴重」と説明。その上で「残念なのは、保存会の話も聞いたが、江戸時代ということは確認できなかった。記録もないとのこと」と話した。
 いずれも明治~大正期のかしらとみられ、会長宅に保管されていた17のかしらは一部を除き保存状態は良好という。
 ただ、林さんは「豊橋の大事な遺産で、技芸や、かしらを中心にした道具の伝承を、どうしていくか考えてください」と、後継者の育成などを呼び掛けた。
 市美術博物館の学芸員・増山真一郎さんも出席。「使用しないかしらは、博物館として保存していけると考えており、館長らと相談します」と話した。
 同保存会は、かしらの解体も含めた詳細な調査の実施の有無や保存方法などについて「時間をいただきたい」とし、引き続き検討を重ねる。
(中村晋也)
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

<前次>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
光生会 虹の森 藤城建設 住まいLOVE不動産 蒲郡信用金庫 さわらび会
158商品のおすすめドッグフードを比較 hadato 肌を知る。キレイが分かる。 豊橋法律事務所 全国郷土紙連合 穂の国