吉田城跡の石垣発掘調査

2021/08/18 00:00(公開)
裏門の石垣発掘現場=吉田城跡で
裏門の石垣発掘現場=吉田城跡で
 豊橋市文化財センターは17日、経年劣化などで崩れた吉田城跡の石垣修復に伴う発掘調査現場を公開した。石垣を支える基礎や排水機能など内部構造があらわになり、上部の樹木による崩落を物語る痕跡が随所に残されている。刻印入りの石材のほか、安土桃山時代から江戸時代の瓦も出土した。21日に一般公開する。
 調査場所は本丸東側「裏門」付近と、南面の2カ所。2019年と昨年、大雨や経年劣化で一部の石が崩れ落ちた。市が7月に始めた初の解体修復工事に伴い、内部構造を明らかにする狙いで調査を実施した。
 裏門付近の石垣は幅5㍍、高さ2・8㍍。土台の中心には石垣全体を支える「土塁」が、その周囲は水はけをよくするため丸い小石を敷いた「裏込石」(うらごめいし)もある。
 崩落前はクロマツが生え、張り出した根を伝って、雨の日に腐葉土などと一緒に裏込石まで流された。長年にわたる泥の堆積で、裏込石の排水機能が低下し、崩落の一因となったとみている。
 南面の石垣(幅約20㍍、高さ約3・8㍍)も生育していたモチノキの根が延び、石を押しのけたらしい。
 今回の発掘で構築年代や構造、崩落原因をさらに精査する。中川永学芸員は「土塁から安土桃山時代の瓦が見つかり、江戸初期に解体と再構築があった可能性もある」と説明する。
 一般公開は21日午前10時半と午後2時から、雨天順延。問い合わせは豊橋市文化財センター(0532・56・6060)へ。
【加藤広宣】
泥で排水機能が低下した裏込石
泥で排水機能が低下した裏込石
モチノキの根が石を押しのけた南面の石垣
モチノキの根が石を押しのけた南面の石垣
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