クロモジでエッセンシャルオイル

2021/09/21 00:00(公開)
クロモジを収穫する女性=新城市山吉田で
クロモジを収穫する女性=新城市山吉田で
 新城市能登瀬の奥三河蒸留所は、地元に自生する樹木クロモジを使ったエッセンシャルオイル作りを始めた。住民が協力して収穫したものを買い取って製品化する仕組みを築いており、運営会社「ランド」(安城市)の阿部晃社長は「奥三河の植物から香りのブランド化を目指したい」と意気込む。

 クロモジはクスノキ科の樹木。枝は古くから和菓子に添えるようじに使われているほか、枝葉や樹液は化粧品にも用いられる。
 ハーブやエッセンシャルオイルの製造販売を手掛ける阿部社長は「取引している中で都市部でクロモジのニーズがあった」とし、市内で自生する場所を探した。市北東部の山吉田地区に自生していることが分かり、地元住民の協力で刈り取ってもらい、精油作りに取り組むことにした。すでに20㌔分は蒸留所に持ち込まれ、製品化に向けて仕込みをしている。
 19日には上吉田在住の女性が山吉田で約2㌔を収穫して運び込んだ。「山吉田のクロモジが特産品となればうれしい」と女性は期待を込めた。
 蒸留所では観光客向けのワークショップも用意し、親子連れら3組がオイル作りを体験。枝葉を切って蒸留装置に入れた。幹の部分や葉っぱに顔を近づけたり、できた精油の香りを楽しんだりしていた。
 阿部社長は「高貴な香りを楽しめる。奥三河は野草や樹木など豊かな自然がある。地元の住民との協力関係で香りのブランド化を目指したい」と話す。
 奥三河蒸留所は2018年12月に旧レストハウス板敷でオープンした。これまでエッセンシャルオイルは19年夏には豊根村富山地区でユズを収穫、20年には地元の新城市能登瀬地区でハッカ約3000株の栽培協力を受けて製品化している。
【安藤聡】
出荷されたクロモジを受ける阿部社長=新城市能登瀬で
出荷されたクロモジを受ける阿部社長=新城市能登瀬で
蒸留されたクロモジのエッセンシャルオイル
蒸留されたクロモジのエッセンシャルオイル
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

住まいLOVE不動産 蒲郡信用金庫 光生会 さわらび会 虹の森 藤城建設
hadato 肌を知る。キレイが分かる。 豊橋法律事務所 ザ・スタイルディクショナリー 全国郷土紙連合 穂の国