崩落防止フェンスに閉じ込められたトンビ

2021/09/25 00:00(公開)
山肌に生える木の茂みに隠れるトンビ=新城市井代で23日
山肌に生える木の茂みに隠れるトンビ=新城市井代で23日
 新城市井代の国道151号沿いに設置されている崩落防止フェンスの中にトンビが閉じ込められている。地元の人によると1カ月以上になる。助けを求める鳴き声を上げ、仲間らしきトンビも心配そうに周囲を飛んでいる。「早く救出してほしい」という声が出ている。
 現場は湯谷温泉出入り口にある「湯谷大橋」近く。国道東側は愛宕神社がある山で、断崖になっている。フェンスは道路に沿って高さ約30㍍にわたって張られ、崖との隙間は狭い所は10㌢、頂上部は1㍍以上とみられる。
 発見したのは、大野でクリーニング店を営む中村明人さん。先月中旬、早朝の散歩で国道を通りかかった際に、フェンスと山肌の隙間でバタバタと飛ぶトンビを見つけた。中村さん以外もトンビの鳴き声を聞いている。男性は「餌がなければ衰弱して死んでしまう」と心配していた。
 23日午後に現地を訪れた。フェンスに上空から別のトンビが近づいた。閉じ込められたトンビは「ピィピィピィ」と高い声で鳴き、仲間に助けを求めているようだった。
 国道を管理する新城設楽建設事務所によると、住民からの通報があったという。「フェンスを外すとなると、高所での工事となる。道路に面しているため、片側通行などの交通規制をかけなければならない。トンビは希少動物ではないため、対応は難しい」と話し、経過を観察するという。
 新城市鳳来寺山自然科学博物館は、約10年前に鳳来北部の愛郷地区で防護フェンスから救出されたトンビを保護したことがある。
 東三河にあるフェンス設置工事会社によると、奥三河では同様にトンビが閉じ込められたり、シカが転落死するケースもまれにあるという。
【安藤聡】
閉じ込められたトンビ(17日、提供)
閉じ込められたトンビ(17日、提供)
フェンス越しに様子をうかがう仲間のトンビ
フェンス越しに様子をうかがう仲間のトンビ
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