蒲郡市上本町のアートスペース「Ｍｉｋａｗａ　Ａｒｔ　Ｃｅｎｔｅｒ（ＭＡＣ）」は、若手アーティスト２人の展覧会「ｕｎｆｏｒｍｅｄｒｏｏｍ」を９日から開く。10月15日まで。
　ＭＡＣ代表の児玉真伍さんは、市内に美術館やギャラリーがないことから、いろんな世代がアートを身近に感じられる場所を提供したいと思い、２０１６年に活動を始めた。19年から、同町の県立蒲郡高校近くの元和菓子屋をギャラリーに改築して拠点にした。
　展覧会は豊田市のアパートの一室を活用した私営ギャラリー「Ａｒｔ　Ｂａｓｅ　Ｃｏｒｏｍｏ」との共同開催。出展者は現代アートを手掛ける森本真由さん（25）とさいとうえなさん（23）。同じ作家の違った作品を違った場所で鑑賞しながら、来場者同士が交流する機会につなげる。現代アートを地域に展開していくことが目的だ。
　森本さんは豊橋市出身。集団の中で無意識的に強要されることや、適応することを求められることへの反応などを「フラット」「アートセラピー」をキーワードに表現してきた。ＭＡＣでは平面作品と鏡を組み合わせ、一つの見方にとらわれずに客観的に作品の意味を理解してもらう体験型の展示品２点を用意した。
　さいとうさんは宮城県石巻市出身。嗅覚芸術を研究しながら、人の感情やそこで生まれるコミュニケーションをテーマにした作品を手掛ける。ＭＡＣでは宮城での強く印象的に残っている記憶や頭の中で新たな宮城の街並みを想像して描き上げる様子を録画した映像作品など３点を展示する。
　児玉代表は「２人の作品を見て、現代アートに興味を深めてほしい」と話した。
　入場無料。午前10時から午後５時。駐車場がないため、近くの公共駐車場などの利用を勧めている。インスタグラム＝ＱＲコード＝に詳細などを発信する。
【林大二朗】